◎なんで裁判所は架空請求業者の書類を受け付けるのか

「裁判所は国民の味方ではないのか?」「裁判所で正当な物か確認してたら問題無いんじゃないの?」と思われるかも知れませんが,それは理屈上できません。

お金を払えとか,物を引き渡せとかいう民事の紛争は,さっき申したとおり,民事訴訟法にもとづいて手続しますが,今の日本の民事訴訟法(近代法)はそんな風に出来てないからです。

裁判所は,訴状などに当事者と請求内容が一応ちゃんと書いてあって,印紙が貼ってあれば,架空請求業者の書類を受け付けます。
そして,相手方に送ります。
送られた書類を放置すると大変なことになると分かっていてもです。
どうしてか。
法律に書いてあるからといえばそれまでなんですが,実質問題,書類を見ただけでは,架空請求かどうか分からないからです。
請求権があるかないかは,被告の主張を聞いて,証拠を見てみないと判断できません。
書類を受け付ける段階で判断するのは無理です。
そしてその,相手方の主張を聞いて,証拠を見てみる手続こそが,まさに本裁判なのです。
本裁判を放置すると,原告の言い分が認められるのはさっき言った通りです。

◎裁判所からの文書かどうか判断する方法

大変だ,大変だ。業者が直接送ってきた請求書は無視していいが,裁判所から来たやつは放置できないとのこと。
偉い違いなので,ちゃんと判断しないと。ということで,業者がダイレクトに送ってくる請求書と,裁判所の送ってくる文書の違いを判断する方法をお教えします。